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KiPAS研究紹介 中嶋敦 - ナノクラスターの秩序集積によるシステム化学

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KiPAS主任研究員として研究活動を開始した化学科・中嶋教授は、渋田研究員と共に、ナノクラスターを起点として、より高次の階層物質であるナノクラスターの集積体に焦点を定め、秩序性と均一性が織りなすナノクラスター集積体の物性を「システム化学」として明らかにし、新たなナノ機能材料科学の基盤を構築することを目指し研究を進めています。
「ナノクラスターというのは原子が数個から数千個を集合したものです。このナノクラスターを自在につくり上げることができるという技術が片方で必要でして、それを私達はいまマグネトロンスパッタリングという新しい手法を開発しながら取り組んでおります。その先にナノクラスターがどう集積されていくと新しい機能をもち得るかと、集積体としての構造、そこを明らかにするとういことを次にこの研究では行っておりまして、ナノクラスターの一つ一つの性質を超えてそれらが集合した時に新しい材料としての魅力があるか、そういったことをこの研究ではナノクラスターの題材の中から見出そうとしています。」
この目的のために、まず、機能ナノクラスターの精密合成と均一薄膜の生成手法を高度化して、秩序性の高いナノクラスター集積膜を創製します。さらに、微小領域の高感度な計測手法を組み合わせて、それらの構造と電子物性、ダイナミクスを追跡し、秩序集積による機能創出研究を推進します。
「我々独自の手法としては電子の動きをリアルタイムで捉えるフェムト秒レーザーという非常に短い光パルスを使った光電子分光によって表面の機能性、電子の機能性、電子のダイナミクスを明らかにしていこうという狙いをもっています。具体的には表面にフェムト秒レーザーをまず当てます。そうすると電子が今から機能性を発揮します、という励起状態になります。その励起状態の電子を、もうひとつの、あとから追いかけてくるフェムト秒パルスで表面の外側に飛び出させてあげると、そういう時間分解光電子分光と言っていますけどそういった独自の手法でナノクラスター集積薄膜の機能性を探っているところです。」
当研究では他にも、ナノクラスターを作り上げる手法や新しい評価方法をオリジナルで編み出しています。気相中で生成したクラスターをサイズや組成を選別して基板上に非破壊的に蒸着する表面ナノ構造構築技術も、その一つです。
「これはソフトランディング技術、軟着陸させるという技術ですけれどこれは私達が独自に探求してきた手法でクラスターが作られたあとそれを壊さずに選びとって表面の上に並べてあげるということが実現できる装置をまず作りました。
最終的にはそれらが運ばれた先というのが光電子分光を行う装置になるわけですがクラスターが載った板を光電子分光が行われるそういった、私達がそこも独自に作った装置なのですけれどその中に運んであげてその電子の振る舞いを観てその電子の振る舞いから機能性を明らかにする、というそういう装置を私達は創りながら研究に用いているというところです。」
中嶋・渋田研究員の進める研究の推進から、ナノ集積物質の新規物性の創出、たとえば、微小磁性単位の創出や、高性能な電荷分離膜、選択性の高い高活性触媒などの開発が期待されており、これらの発展はさらに、ナノ工学や生体物質科学への貢献をもたらすものと見込まれています。
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教育 - Education
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