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中田・犀川研究室 - ユニークな構造と機能を持つ天然有機化合物の探索と合成

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慶應義塾大学理工学部 応用化学科 中田・犀川研究室では天然物有機化学の研究を進めています。
Q. 自然界には私達の思いつかない不思議な現象や精巧なトリックがたくさんあります。挑戦状のような複雑な構造の化合物を自分達の手で合成したり、あるいはまだ解明されていない不思議な生物現象を分子レベルで解き明かす事により、新しい化合物や、化合物の新しい性質、新しい有機化学反応を見つける事ができると考えています。
中田・犀川研究室では複雑でユニークな構造を持つ天然有機化合物をターゲットにした合成研究をおこなってきました。
中でも、アンサ型化合物のひとつであるケンドマイシンの合成では、デッツ反応で芳香族コアを形成し同時に環も生成するという新しい方法で、自然界では創ることのできないバリエーション豊かなアンサ型化合物群の合成に成功しました。
Q. アンサ化合物というのが構造も面白くて作りがいもありますが、生理活性もかなり色々なものがでており、実際に薬に使われているようなものもあります。ケンドマイシンは比較的その中では最近単離構造決定された化合物で、当時から合成化学者がターゲットにしていまして、私達もなるべく面白い方法で、医薬品の素にもなるかも知れないケンドマイシンを作ってみようと言う事で、ケンドマイシンに注目して合成しました。
中田・犀川研究室では化合物の合成の他にも、生物における生理現象や自然現象に着目し、それに関わる有機化合物を取り出そうといった研究もおこなっています。
その中のひとつが「くしゃみ」を引き起こす化学物質に関する研究です。
Q. アカクラゲという赤い縞のクラゲがいるのですが、それは漁師の網にひっかかって、そのままひからびて乾燥した粉状態になっていると、その場を通っただけでもくしゃみが止まらないという事は昔から言われています。そのくしゃみを引き起こすものが、誰でもくしゃみが出るということなので、それは何なのかと思い、アカクラゲを取って来て、粉を作って、それでマウスを使って、鼻にサンプルを投与して、くしゃみの数を数えると言う方法で、誘発物質を探しています。今のところかなり不安定な物質のようで、なかなか構造がわかるというわけではありませんが、くしゃみを起こすものが何か特有なものだということが見えて来て面白くなってきたかなと思っています。
この他にも、卵の中で雛が成長する時に殻のカルシウムが骨に移る現象に関わる化合物の取り出しなど、生物現象のメカニズムを解明していく上でも興味深い研究を進めています。
Q. 身の回りを見回すと、面白い自然現象がたくさんあります。一体何故そうなっているのだろうかということを色々まわりに目をやって、色々考えて下さい。そうすると非常に面白いまだわかっていない現象がいっぱい見つかります。それを解明していくために一生懸命研究をやっていけば必ず面白いサイエンスが見つかると思いますので、皆サイエンスの世界に来てほしいと思っています。
Category
教育 - Education
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