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世界初観測「金属は自己修復する」Natureに掲載【橋本幸治の理系通信】(2023年7月21日)

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こちらは、金属の白金に、繰り返し引っ張りの力を加えたときの映像。亀裂が徐々に伸びている様子が伺えます。ところが…引き続き引っ張りの力を加えているにもかかわらず、亀裂が修復し始めました。アメリカのサンディア国立研究所などの研究グループは、金属にできたナノレベルの亀裂が自己修復する様子を世界で初めて捉えたと発表しました。橋や飛行機などの構造物が壊れる原因の80%以上は「金属疲労」、すなわち繰り返しの負荷によってできた微小な亀裂だと言われていて、安全に設計するうえで金属疲労への対策は極めて重要です。今回研究グループは、純金属の白金を真空環境で、毎秒200回の周期で引っ張る疲労試験を行ったところ、実験開始40分後に、亀裂が18ナノメートルにわたって自己修復したということです。その後も試験を継続したところ、亀裂は別の方向に伸びていったということで、研究グループは、「これは亀裂が実際に修復されたことを示している」と述べています。損傷が生じても自ら修復する「自己修復材料」は、主にプラスチック素材で研究が進んでいますが、金属が自己修復するとの報告は「前例がない」としています。研究グループは、テレビ東京の取材に対し、「真空環境ではなく空気中で、鋼などの一般的な金属でも自己修復が起きるかはまだ不明だが、今回の知見によって、金属の疲労耐性が向上し、橋や飛行機などに対する工学的手法が改善される可能性がある。」とコメントしています。

※引用元
●論文:Nature(2023)
Christopher M. Barr, et al.
Autonomous healing of fatigue cracks via cold welding
https://www.nature.com/articles/s41586-023-06223-0

●プレスリリース:サンディア国立研究所のHP
Stunning discovery: Metals can heal themselves
https://newsreleases.sandia.gov/healing_metals/

#自己修復 #金属疲労 #自己治癒 #疲労破壊 #理系通信

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