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ビッグデータ利活用のための計算機アーキテクチャ

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慶應義塾大学理工学部情報工学科 松谷研究室では、データセンター、クラウド、ビッグデータ向けの大規模ネットワークから、チップ内ネットワークのような微細なネットワークまで、様々なスケールのネットワークを研究しています。

Q. "当研究室では、ビッグデータ利活用のための計算機基盤として、現在主として四つの研究を行っております。一つ目は、ビッグデータを利活用するためのデータベースの高速化の研究です。具体的には、No SQL、構造化ストレージと呼ばれているスケーラビリティの高いデータベースをハードウェアを用いて高速化するという研究を行っています。"

松谷研究室ではデータベースの高速化のために、10ギガビットイーサネットを4本備えたFPGAボードを用いて、構造型ストレージの専用ハードウェアを開発しています。実際の顔認識システムから送られてくる人物情報を蓄積し、これを高速に検索できます。

Q. "二つ目、これはソーシャルグラフ、これは人と人とのつながりなどを表現するグラフ、グラフ構造ですけれども、GPUを用いてFacebookなどのソーシャルグラフの解析を高速化するという研究を行っております。
三つ目。こちらビッグデータ、クラウドコンピューティングにおいては、さまざまなリクエストがサーバへ来ます。こういったサーバへのリクエストというのは、リクエストレベル並列性があります。沢山のリクエストを並列に処理するためには、多数のプロセッサを搭載したメニーコアプロセッサの利活用が必須でございます。当研究室でも、多数のプロセッサを搭載したメニーコアプロセッサの研究を行っております。具体的にはプロセッサを3次元方向に無線で積層する、という新しいメニーコアプロセッサの研究開発を行っております。"

ビッグデータを扱うデータセンターでは、データを移動するコストがこれまで以上に大きくなります。こういったデータセンターにおける、突発的大容量のデータ転送に対処するために、4つ目として、サーバーラック間を光ビームでつなぐ超高速ネットワークの研究を行っています。

Q. "こういった大きなデータ転送をこれまでのような1ギガbps程度のリンクで転送していたのでは非常に時間がかかってしまいます。そこで本研究室では、サーバのラックの上にコリメーターレンズと呼ばれている素子を設置し、このコリメーターレンズの向きを変えることで、ラックとラックの間に動的に40ギガbpsの光ビームのリンクを形成するという研究を行っています。こうすることで、データセンターで仮想マシンのマイグレーションなどのような大量のデータ転送が発生する直前にですね、40ギガの無線、光無線、ビームのリンクを構成してそういった大容量のデータ転送をその光ビームを使って流す、という研究を行っております。"

ビッグデータ向けの計算機を計算機アーキテクチャのレベルから研究し、省電力化、省スペース化、低コスト化することでより容易にビッグデータを利活用するための計算機基盤を実現しようとしている松谷研究室。ビッグデータの処理・解析で起こりうる大きなイノベーションを支えるべく、これからも研究に取り組んでいきます。
Category
教育 - Education
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