2歳の女の子 心臓移植手術終え元気に帰国　「ドナーとその親に感謝しない日はない」（2023年12月25日）

12月25日、厚生労働省の記者会見室。そこに姿を見せたのはお父さんに抱っこされた小さな女の子。2歳の佐藤葵ちゃんです。生まれつき重い心臓病だった葵ちゃんは、8月にアメリカで心臓移植手術を受け、12月19日に元気に帰国しました。
佐藤昭一郎さん「一家4人で笑える日は来るのだろうか。それが来るのはいつになるのか。様々な不安がよぎる毎日だった」
佐藤清香さん「葵を膝に乗せながら会見できることをうれしく思う。ドナーになってくれた人とその親に感謝しない日はない」
葵ちゃんの両親は日本ではいつ移植手術が受けられるか見通せないためアメリカでの移植手術を選びました。手術や渡航にかかる莫大な費用は寄付金を募り5億3,000万円が集まりました。6時間に及ぶ移植手術を耐えた葵ちゃん。経過は順調で、予定より2カ月ほど早く退院できたといいます。
佐藤清香さん「言葉が発達した。病室でずっと暮らしていると限られたものしか見ないが、外の世界に出たことで雨を見て雨と言って、風呂のシャワーを指さして雨と言ったり。いろいろな経験と物事が結びついていくような発達をしている」
佐藤昭一郎さん「風呂に一緒に入れるのがよかった。もともと葵は風呂大好きだったので一緒に入って楽しんでいる、とか、寝顔を見ている時間も特別というか、いろいろ思い出すと尊い。みなさまに支えてもらった命を大切に育てていきたい」
佐藤清香さん「あっという間で濃い1年だった。たくさんの人に励ましてもらい、いろいろな出会いがあり、親としてもどうやって育てていくんだろうというところから、これだけ支えてくれる人がいる世の中なら、安心してこういった子も生きていけると励まされた」
一方で両親は、国内での移植医療の整備をさらに進めてほしいと訴えました。
佐藤昭一郎さん「いまだに5年近くも心臓移植待っている子供もいる。長期の待機による体調の悪化もあるという現実もみなさんに知ってほしい。こうした状況が一刻も早く改善されることを願ってやまない」

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