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杉浦研究室 - 超電導、超音波、マイクロバブルと機械力学

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慶應義塾大学理工学部機械工学科杉浦研究室では、電磁気学と機械力学の連成現象や非線形動力学の現象について、解析と実験による解明に取り組んでおり、現在は大きく3つのテーマに力を入れています。一つ目は、超電導磁気浮上系の非線形振動の研究です。超電導磁気浮上系は、物体を非接触で浮上させることから、摩擦によるエネルギー損失が極めて少なく、エネルギー効率の高い機構への応用が期待されています。
Q.超電導は、超電導を利用すると、物体を動かすことができる、しかも安定に動かす事ができる。非接触で浮上させて、それが制御とかなしに安定に浮くことができるという事で、それを利用して物を搬送する応用とか、あるいはエネルギーを貯蔵する応用という事で、リニアモーターとか電力貯蔵フライホイールシステム等というものへの応用が考えられています。
昨今、インフラを支える構造物が経年劣化によって壊れるというケースが報告されており、橋やトンネル、発電所、パイプラインなどの安全性を確保する上で、定期的に構造物のメンテナンスをする必要に迫られています。そのための非破壊検査手法の一つである、超音波を用いて傷を調べる超音波探傷が2つ目の研究テーマです。
Q.超音波探傷は既に世の中で使われているんですけれども、いかに効率よく検査していくかと、構造物が非常に大きかったり多かったりするので、今後さらに数十年経った構造物が増えていくと、検査する需要というのは増えてくると思うので、効率良くやる事が必要で、そのための一つの手段として、超音波探傷の中でもガイド波と言うものが期待されています。これは長い大きい構造物に対して、超音波を共振させながらずっと伝播させるという事で、長い距離伝播させることが可能なので、それを利用して一気に検査をするという可能性があるということで、それについて一つは研究しています。
また、従来の超音波では透過して検出できないとされる開口前のいわゆる「閉じたき裂」の検出が求められており、このき裂を検出する「非線形超音波」の研究にも取組んでいます。
そして3つ目の研究テーマは、超音波造影剤としてのマイクロバブルの非線形振動とその医療応用です。
Q.マイクロバブルは直径、数マイクロメートルの小さいバブルなんですけれども、これに超音波を当てると振動する訳です。これが非線形振動というのをします。これを体内に送り込んだ時に、細胞は超音波に対する線形の成分を反射するんですけれども、マイクロバブルは非線形の成分を含んだ反射をしてくるので、それを非線形の振動を、それを検出することによって、体内の中でマイクロバブルを送り込んだ血管の部分をより詳しく、超音波で造影すると言うのですけれども、イメージングすることができる。ということで、医療応用に使われる、という事になります。
さらなる医療応用として、マイクロバブルに付着させた薬剤を、悪性腫瘍などの限られた体内部位でのみ放出させることにより、その治療効果を高めることができます。このような技術はドラッグデリバリーシステムと呼ばれ、体内の局所的な治療への応用が期待されています。
このように、杉浦研究室の研究成果は、リニアモーターカーやMRI装置への応用、原子力発電所や飛行機などの非破壊検査技術、マイクロバブルの医療への応用など、様々な分野への応用可能性から大いに注目を集めています。
Category
教育 - Education
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