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伊香賀研究室 - 建築と都市を対象とした持続可能性工学

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慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 伊香賀研究室では、私たちの生活基盤である建築・都市のサステナブルデザインを軸に、快適で健康を増進させる居住空間の実現方法から地球温暖化の対策まで幅広い研究を行っています。現在はその中でも健康、知的生産性、低炭素という大きな三つの枠組に力を入れています。
「例えば健康というテーマで行きますと、私達が日々暮らしている自分の家、その家が例えば冬に寒いとか、夏に暑いとか、そんな環境で暮らしていますと例えば、寒いと血圧が上がって色んな病気の原因になるとか、あるいは暑いと良好な睡眠がとれなくて睡眠不足になって、それが原因で色んな病気になるとか、という事が分かってきています。伊香賀研究室では実は、血圧の測定とか睡眠の測定とか、あるいは心電図をとって自律神経の状態を見るとか、そういった研究を医学部の先生と一緒に、ご自宅を訪問して、一般の住民の方に測定に協力をしてもらったりしています。」
現在、伊香賀研究室ではその一環として『健康長寿を実現する住まいとコミュニティの創造』という研究プロジェクトに取り組んでいます。高齢化率が我が国全体の40年後の未来の姿となっている高知県、梼原町という小さな町で、現地の住民の方と住宅の寒さや暑さの調査、住んでいる町の状況の違いによっても住民の健康に影響が出てくるという事を、データを取りながら実証実験しています。
「健康以外のテーマとして、知的生産性の研究という事にも力を入れています。例えば小学校とか中学校とか、あるいは大学とか、民間の研究所、あるいは事務所ビルとか、そういう環境が適切でないと、実は例えばそこで勉強する子たちの学習効率が落ちてしまうとか、あるいはオフィスで働く人の仕事の能率が落ちてしまうとか、そういう所につながってしまいます。伊香賀研究室では、実はそれがどういう環境だと、どの位学習効率が落ちるとか、仕事の能率が落ちるかという事を、被験者実験とかあるいは実際の子供たちや、あるいはオフィスで働く人に協力をして頂いたアンケート調査とか、そういった事で建築の環境と知的生産性の関係を明らかにする、と言った事にも取り組んでいます。」
もう一つのテーマは、低炭素社会実現のための研究です。建築単体で考えた場合、どういうデザインをすればどの程度CO2を少なくできるか、例えば住宅をデザインする時に、きちんとした断熱や風通しを考え、あるいは太陽光パネルを適切に乗せる事で、CO2をより少なくする住宅を実現することができます。
「もう一つは都市スケールという事で、どういう都市計画をすれば良いかって言うことは、国とかあるいは自治体にとって大きな政策上の課題になっているのですけれども、どういう政策をすればどの程度都市全体のCO2を減らし得るかを、例えば2050年という未来までを予測するという評価手法の研究をしています。」
これらの研究を扱うには環境学や医学、経済学などの基礎知識も必要になってきます。幅広い知識を持つことで、身の周りに起きている現象を見極め、持続可能なデザイン、すなわち私たちの子供や孫の代まで今のような豊かな生活が持続できるような建築・都市のデザインを追求し、これからも研究に取り組んでいきます。
Category
教育 - Education
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