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【トップに直撃してみた!#1 東芝車谷社長】コロナで経営再建の行方は?

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一時は上場廃止寸前まで追い込まれ、現在も経営再建中の真っ只中にある東芝。
2年前にトップに就任した車谷社長は新型コロナウイルスという逆風が吹き荒れる中、「コロナをどう乗り越えるのか」直撃しました。

4月の緊急事態宣言を受けて、車谷社長は4月20日から5月6日まで一斉休業を決断。また今後、国内の製造現場を対象に週休3日制の導入も決めました。また、東芝は日立製作所と共同で、新型コロナウイルスの感染の有無を迅速に判定できる、抗原検査キットの増産支援に乗り出すと発表。実は、車谷社長自らが政府に支援を名乗り出ていました。

2年前に東芝のトップに就任した車谷社長。三井住友銀行の元副頭取で、かつては有力な頭取候補と言われていた人物です。およそ50年ぶりに外部の出身者として経営のトップに就き、東芝の再建を託されました。

アメリカの液化天然ガス事業の売却損などが響き、2020年3月期に1,146億円の最終赤字となった東芝。その一方で本業の儲けを示す営業利益は1年前より3.7倍の1,304億円となっています。

2016年にアメリカの原発事業の失敗で多額の損失を出し、債務超過に陥った東芝。そこで、上場廃止を避けるために当時、営業利益の9割近くを稼ぎ出していた虎の子の半導体メモリー事業の売却に追い込まれました。稼ぎ頭を失った東芝。車谷社長は、就任してまず、事業の取捨選択を実行。収益性の高い社会インフラの保守サービスに力を入れることで、およそ1,300億円の営業利益を実現したのです。インフラサービスがその7割を占めています。

さらに、今後の収益源となる新事業の育成も急いでいます。東芝は今年2月、POSレジから得られる“購買履歴データ”などを扱う新たな子会社「東芝データ」を設立しました。東芝データのトップにはシーメンスの日本法人の専務執行役員だった島田太郎氏を起用。データ分野のスペシャリストで、車谷社長自ら、島田氏を中華料理店で口説き落とし、東芝に引き入れました。
実は東芝はPOSレジの世界シェアで首位。国内でもおよそ6割のシェアを誇っています。POSレジの特徴は、「いつ、何が、何個、いくらで」売れたかというデータが正確に把握できるという点。POSレジから得られるデータと東芝が展開するレシートアプリから得られる個人データを組み合わせることで、より詳細な「購買履歴データ」となるのです。

経営再建の歩みを進めている東芝。しかし、2020年に入ると世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大。車谷社長は、「かつての東芝だったら赤字になっていた可能性もある」といいます。
21年度の営業利益目標は達成できると強調。ただ今年度の営業利益見通しは1,100億円。今回発表のあった2019年度と比べて16%減る見通しです。

債務超過に陥ったことにより3年前に東証二部に降格した東芝ですが、今年4月には東証一部への復帰を申請しました。業績が改善傾向にある中、コロナ時代をどのようにして乗り越え、成長を加速できるのか。車谷社長の手腕が問われています。

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